ボヘミアン・ラプソディ
アンソニー・マッカーテン脚本
イギリスのロックバンドQUEENの亡きボーカル、フレディー・マーキュリーの半生を描いた映画。
ドラマで「I was born to love you」が起用された頃、ちょっとしたQUEENブームが到来していた。
当時は学生で寮生活を送っており、早々にDVDを手に入れた友人が鑑賞会をしていて、それを観たのが初めての出会い。
独特な風貌とファッション、歌っている時の動き、一見するとちょっと引いちゃうような姿なのに、強烈に格好良く、目が離せなくなった。
フレディーが亡くなっていると知った時は、彼らのLIVEに行けない悔しさに泣き、今も尚色褪せない楽曲に浸った青春だった。
本編前のQUEENへの愛を感じるFOXのファンファーレに、持っていたイメージ通り画面の中で笑い泣き喧嘩する彼らは微笑ましく、インタビュー文でしか知らなかった曲作りシーンも、ちょっとした動作に彼らそれぞれの性格が感じられるもので、些細なシーンでも泣きそうになったのは私だけじゃなかったはず。
この映画は史実通りのストーリーではないからこそ、伝記とかドキュメンタリーというよりもQUEENの楽曲とかMVとか、その延長にあるもののように感じる。
フレディーが愛したメアリーとジム・ハットン、性愛の苦悩、AIDS闘病、全部が全部美しいわけがないのに、それを美しく丁寧に悩み迷いつつもアーティストとして生き抜いた彼をテーマにした作品。
素晴らしい音楽的才能を絶賛される一方で、叩かれる彼の姿に心を痛めてきた一ファンとして、この映画から溢れる盲目的とも言える愛に、救われた気がした。
あの世の彼への最高の手向けだ。
本当に良いものを観せていただきました。
DVD発売が待ち遠しい。
2018.11.23