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リハビリ

グレイテスト・ショーマン

THE GREATEST SHOWMAN
 マイケル・グレイシー監督
 ビル・コンドン/ジェニー・ビックス脚本

 

ユニークな人の大げさに盛った設定を吹聴し、所謂フリークスで人を呼び集め、
サーカス興行を成功させた実在するP.T.バーナムを主人公に描いたミュージカル映画
プロモーションで流れてきた動画の音楽に、久し振りに「これは観に行かなくては」となり、駆り立てられるまま劇場に足を運んだ。

 

この映画を称するにどこかで使われていた、「人生賛歌」とは言い得て妙で。
同じ世界で様々な環境に取り囲まれながら人は生きていて、それぞれの中に輝く魅力や卑しい欲望、燻る想いが在って、それが人と人とが交わって、傷付け合ったり、高め合ったりして、私達は生きている。
自分を隠し守りながら、その中で突き破ってくる芯を、嫌いでも醜くとも、それを活かし武器にして生きていくしかない。
この交錯する想いが音楽に歌にダンスに、すごく丁寧に滲み出ていて、溢れていて、力強いものになっていた。

 

唯一無二の武器を手に、もう怖いものなんてない、This is meという叫びも
下から零れ落ちる空虚を満たしたくもがきながら叫ぶNever Enoughも
この二人がここに行き着くまでの苦労と、その全てを昇華させるような歌声に心臓をぎゅっと掴まれるようだった。

 

恋に落ちるシーンが丁寧に描かれていたのが印象的だった。
シンと、音が止み、空気が止まり、その人から目が離せなくなる。
その時の輝く目が、心奪われた表情が、人が一番美しくなる瞬間だと思う。

 

元気が出る映画だった。
また、心が和らいでいる時にも観に行きたい。

 

2018.2.24