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リハビリ

リハビリ

実家半径10km圏内の世界しか知らなかった子供の頃、どうしてもその環境に馴染めず、それに適合出来ない私は詰られるばかりだった。

きちんと育ててくれたことには感謝しているが、頭ごなしに否定された言葉は今でも私の心に蔓延っていて、不完全燃焼で燻っていた思春期の私が叫びだすのをよく宥めている。

 

今思い返せば間違っていたところはあったけれど、当時から全てが間違いでは無いはず、という一心で勉強に没頭し、寮がある高校に進学してやっと実家から物理的な距離をとって一息付けられるようになった。

決して悪い親ではなかったので嫌いにはならなかった、というより嫌いになれないが故の行き場のないフラストレーションをぶつけていたのが文字で、毎日色んな媒体に想いを書きなぐって一日を終えていた。地元県外の大学進学して生活的にある程度自立出来るようになったら、そういったストレスからは離れられたけれど、また別の環境での課題にぶちあたる。それについても、とにかく何でも自分の中の汚い嫉妬もエゴもなんでも全部吐き出すように書いていた。

手に余る課題に途方に暮れながら書き始めても、書いているうちにパズルがパチっとハマるように答えがまとまるから、思考のチューニングに無くてはならないものになっていた。

 

そんな私の文章を読んでくれている人の中には、行間を読み込むのに秀でた人がいて、それに気付かされることも多々あったのだけれど、全然違う解釈を押し付けてくる人がいて、彼女の扱いにだいぶ手を焼いた。

直接言われれば都度訂正もするのだが、直接は言わずに見えるところに書く。これはもしかして私のことなのかと気が付いて聞いた時にはもう手遅れで、彼女の中では私は「彼女に対して恨みを抱いていて、今までずっと無視していた」で固まっていて、訂正しようにも言い訳にしか捉えられず、箸にも棒にもかからなかった。

せめてと、「これからは直接言ってくれ」とお願いしたら、来るのは曲解の嵐で、時を変え言葉を変えても、もう私の言葉は何一つ届かなかった。私の書く言葉全てに違う解釈を持って傷付く彼女を見て、それまでは何でも話ができる頼りになるお姉さんだったから伝わらないのが辛くて、どうにかまた元の関係に戻したくて手を尽くした。

思いつく限りのことは全部やり尽くして、共通の友人に相談したら過去にも同様のことで揉めていたと知り、これはもう私の手には負えない案件だ、と泣く泣く縁を切って終了。

 

この前後にも、今まで普通に仲良くしていた人がおかしくなったり、攻撃的に豹変するということが続いて起きて、私が好きなものとか正しいと思っていたことが大きく揺らいだ時だった。

何を信じたらいいのか何を好きでいたらいいのか分からなくなって、灯りも何もない暗闇に落とされたようで、呼吸するように書いていた文章がぱったり書けなくなった。書こうとすると、矛盾した思考が出力を遮って言葉として出てこなくなる。それまで何も迷わなかった表現に躊躇して、書いては消し、書いては消し、を何度も繰り返して、結局何も書かずに終える悶々とした日々が続いた。

 

今や当時の見る影なくすっかり元気だし、書けないなりに自分の思考まとめられるようにはなったし、これはこれで良いのかもしれないのだけれど、また書けるようになりたかった。また、書いて思考のチューニングが出来るようになりたかった。

色々と試しているが、誰にも見えないところに書くのも、私ということを表明せずに書くのも、全然続かなかった。たぶん性に合わないんだよな。別にどこかに出すのでもないのだけれど、好きな人が気が向いて立ち寄って読んでくれた時に、通りすがりの誰かに、私の中の何かが伝わってくれたら嬉しい。

 

ぱっと読み返しても同じ表現が続いていたり、口調が変わっていたり、構成がめちゃくちゃで、我ながら大変読みにくいのですが、リハビリなのでご愛嬌。

ではまた。